その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
恥ずかしくてギュッと目を閉じたそのとき……。
「まさかこんな時間かかるなんて聞いてないんだけど!」
「仕方ねぇだろ。人遣いが荒いんだから……」
ガラッと、勢いよく教室のドアが開けられる。
完全に今いる場所が教室だと忘れていた私は、この状況を隠す暇もなく、反射的にドアのほうへと視線を向けた。
「えっ……」
「は……?」
不幸中の幸いなのかわからなかったけれど、教室に入ってきたのは芽衣ちゃんと本原くんだった。
案の定、私たちを見て固まってしまう。
「あ、あのね……これは」
「どうして俺と姫野さんの時間を邪魔するのかな」
「た、橘くん……!?」
なにか言い訳を並べようとしたけれど、その前に橘くんが不満気につぶやいて。
私はいったいどうすればいいのか、わからなくなってしまう。