その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
やっぱり私なんかが橘くんのとなりにいてはいけないのだ。
わかっていたけれど、胸がギュッと締め付けられるように苦しくなった。
「日下部さんはなにを言ってるの?俺と姫野さんは卒業後に同棲して、結婚する約束までしているんだ」
「は……?」
「ね、姫野さん?」
「それは、あの……」
約束をした覚えはないけれど、橘くんは約束したと思っている手前、首を横に振ることをためらってしまう。
「天音、本当のこと言って。
こんな変態丸出しの男と結婚する約束したの!?」
「え、あ……」
「ぜったいにこの男、愛が重いからね?
天音のことをズルして手に入れたような男なの」
「重い……?」
初めて聞く表現に戸惑ってしまう。
愛が重いとは、なんだかすごそうだ。