その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「姫野さんは少しマイナスに捉えすぎなんだね。そのおかげでうまくいっている部分もあるんだけど……」
「……?」
「じゃあどうして拒否したのか俺に教えて?それって俺と恋人関係のままでいいってことだよね?」
「それは……橘くんと今まで通りの関係に戻るのは、嫌だなって」
「嫌?」
その言葉に対してうなずくと、橘くんは笑う。
「うん、かわいい。あとは姫野さんから“好き”の言葉が出たら、完全に俺の姫野さんになるね」
「え……」
「そしたら結婚まで走れるんだ。お試しで同居とかしてみる?それか長期の旅行とかもいいね」
「旅行……?」
「うん、早くたくさん恋人らしいことしようね。
だから俺から離れないで」
いつものように優しい眼差しを向けられて、安心感を抱く自分がいて。
そんな彼と並んで歩きながら、駅へと向かった。