その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「日下部さん、とりあえず落ち着けって。
姫野さんだって嫌がってねぇからいいだろ?」
「だって純粋な天音を利用しているんだよこの男は……あんたもなにか言ってよ」
「なんかって……俺、巻き込まれた側なんだけど」
「本原がうわさを流さなければ済んだ話なの!」
「あー、そろそろ宿題するか」
「さ、賛成です!」
思考を放棄した様子の本原くんが、少し面倒くさそうに“宿題”という言葉を口にした。
その言葉に乗った私は手をあげて宿題したい意思を表した。
「手をあげてる姫野さんもかわいい……腕細いし白いね、すぐ縛れそうだ」
「実際縛ってたくせに、なにが縛れそうなの」
「今も姫野さんを縛りたい。あの恥ずかしそうにする姫野さんをもう一度見たいな、いや毎日見たいな」
「……っ」
宿題に集中して取り組もうと思っていたけれど、橘くんの言葉に反応してしまう。
頬が熱を帯び、うつむいた。