その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「姫野さんが俺の前で違う男を見ている……?」
「えっ」

その震えた声は、私のとなりから聞こえてきた。
見ると橘くんが顔を歪めていて。


「橘くん……?」

「今ぜったいに一輝を見ていたよね?
どうして俺を見てくれないの」


さらには頬をつんつんされてしまう。
少し機嫌を損ねている模様。

ただ、本原くんを見ていたというよりは、芽衣ちゃんと本原くんのふたりを見ていたという表現が正しい。


「嫉妬深い男は嫌われるわよ?
天音が少し本原を見たぐらいでそんな嫉妬して」

「えっ……嫉妬?」


嫉妬って、橘くんのことを指しているのだろうか。
じゃあ彼はなにに対して嫉妬しているの……?

< 208 / 272 >

この作品をシェア

pagetop