その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「姫野さんの手作りケーキ……?」
「う、うん……おいしいかは、わからないけど」
「ありがとう姫野さん!俺たちのウエディングケーキだ……もう結婚したもの同然だね」
「そ、そんな豪華じゃなくて、本当に地味なケーキです……!」
ウエディングケーキだなんて、そんな素敵なものを作れる腕はもちろんない。
期待されてしまえば地味なケーキを見て落ち込まれるかもしれないため、慌てて否定する。
「姫野さんが作ったケーキはウエディングケーキ以上の価値があるよ、だから今すぐ結婚しよう」
「へ、あの……」
なぜか橘くんの目はキラキラ輝いており、手をギュッと握られてしまう。
そのまっすぐな眼差しにドキドキしてしまい、慌てて視線を逸らす。