その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「姫野さんの手作りケーキ……?」
「う、うん……おいしいかは、わからないけど」

「ありがとう姫野さん!俺たちのウエディングケーキだ……もう結婚したもの同然だね」

「そ、そんな豪華じゃなくて、本当に地味なケーキです……!」


ウエディングケーキだなんて、そんな素敵なものを作れる腕はもちろんない。

期待されてしまえば地味なケーキを見て落ち込まれるかもしれないため、慌てて否定する。


「姫野さんが作ったケーキはウエディングケーキ以上の価値があるよ、だから今すぐ結婚しよう」

「へ、あの……」

なぜか橘くんの目はキラキラ輝いており、手をギュッと握られてしまう。

そのまっすぐな眼差しにドキドキしてしまい、慌てて視線を逸らす。

< 217 / 272 >

この作品をシェア

pagetop