その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「じゃあ天音、今からケーキの用意しよっか。
あたしも手伝うよ」
「本当……?ありがとう」
芽衣ちゃんにお礼を言い、私たちはキッチンへと向かう。
冷蔵庫に入れていたケーキは、崩れることなくきれいな形を保っていた。
「うわぁ、すごくおいしそう!
天音の作るお菓子、好きだから嬉しい」
「おいしくできてるといいな……」
芽衣ちゃんとはバレンタインの日にお菓子を交換し、おいしいとすごく喜んでくれたのを今でも嬉しくて覚えている。
「それにしても、あの男は危険だよ天音」
「えっ……」
ケーキを切っていると、芽衣ちゃんが深刻そうな顔で口を開いた。
あの男って……橘くんのことだろうか。