その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「橘くんのこと……?」

「そう。あんな男に捕まるくらいなら、ぜったいに本原のほうがいいね。逆に天音はなにも思わないの?」

「えっと……」


橘くんは優しくて、よく笑っていて。

たまに意地悪で強引なところもあるけれど、そのたびにドキドキさせられる。


橘くんはとても甘くて、優しい王子様だと思った。
けれど、口にするのは恥ずかしい。


「あの……私は、嫌じゃなくて」
「じゃあ好きなの?」

「えっ……好き、かどうかは……あまりわからなくて」


果たしてこれが“好き”という感情なのだろうか。
わからないけれど、今さら橘くんと別れるのは寂しくて嫌だ。

< 219 / 272 >

この作品をシェア

pagetop