その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「そんなキョトンってかわいい顔しても無駄だからね」
「か、かわいいだなんてそんな……!」
芽衣ちゃんも私を過大評価しすぎである。
話を変えるようにしてケーキを切り分け、お皿に乗せていった。
「すごくおいしそう!
早く食べたいな」
「お口に合うかどうかわからないけど……」
「もー、天音は自信なさすぎ。
きっと彼氏も喜ぶと思うよ、早く行こ」
「……っ」
芽衣ちゃんは橘くんのことを“彼氏”と言い、恥ずかしくて顔が熱くなる。
「なに照れてんの」
「あ、えっと……行きます!」
芽衣ちゃんのうしろを追い、リビングで待っている橘くんと本原くんの元へと戻る。
真っ先に私たちに気づいたのは橘くんで、キラキラと目を輝かせて私に視線を向けてきた。
その期待に応えられるか不安だ。
いっそのことまずいと思って食べて欲しいほどである。