その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「あの、橘くん……本当においしいかわからなくて」
「姫野さんの作ったものを食べられるだなんて、夫婦になった気分だ」
「へ……」
橘くんの言葉に戸惑いつつも、ゆっくりケーキの乗せたお皿を橘くんの前へと置く。
そして私は彼のとなりに座り、食べてくれるのを待ったけれど。
「こんな、姫野さんが俺のために一生懸命作ってくれたケーキを……食べろってなかなか酷くないかな。食べてしまえば一瞬で消化されて……ああ、食べるのが苦しいよ姫野さん」
「あの、やっぱり他のものを……!」
やっぱり無理していたのだろう、橘くんは目の前のケーキを食べることをためらっていて。
無理して食べてもらうのは申し訳ないため、慌てて別のものに変えようと思った。