その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「天音?どうしたの」
「な、なんでもない……!」
首を横に振って否定するけれど、視線は橘くんのほうへと向いてしまう。
なんだろう、橘くんとの距離がすごく遠く感じるのは。
元々これほど差があるとわかっていたのに、私は彼と付き合っているのだ。
けれど自分の中で嫌な感情が湧いてしまう。
みんな、橘くんのことを見てほしくない……なんて。
「ふーん、もしかして嫌なの?」
「……え」
「叶人くんが他の女子に囲まれてるのが」
「……っ」
芽衣ちゃんは私の気持ちを簡単に言い当ててしまう。
ここは否定するべきところかもしれないけれど、気づけば一度だけうなずいていた。