その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「ねぇ君、姫野さんだよね?」
「あれ……なんか泣いてないか?」
ついに声をかけられてしまい、通り道を塞がれてしまった。
おそるおそる顔をあげると、何度か目にしたことのある人たちで、たぶん同じ学年の男の子だろう。
「あの……その」
「やっべ、近くで見るとさらにかわいいな」
「しかもメイド服ってやばくね?」
どうしよう。
じっと今の服装を見られてしまい、恥ずかしくて頭が真っ白になる。
『通してほしいです』の言葉も出ずに固まっていると……。
「ごめん、邪魔だから退いてくれるかな?」
圧のある声が男の子たちのうしろから聞こえ、その場にいた3人が思わず肩を震わせた。
見るとそこには橘くんの姿があって。
笑っているけれど、その笑みはどこか怖い。