その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「姫野さんが学校でこんな大胆なことするなんて」
「みんないないから大丈夫です」
「もしかして、やきもち妬いてくれたの?」
橘くんは私の体を離し、額をくっつけてきた。
近い距離にドキドキしながらも、一度小さくうなずいた。
だって2日間の文化祭で、橘くんは学校の生徒だけではなく、一般の来客の人たちからも大人気で。
他校の生徒たちや、年上の女の人たちからよく話しかけられていた。
お客さんである手前、橘くんは突き放すことはせず。
わかっていたけれどそれが嫌で、我慢した分、今はとことん橘くんに甘えたい気分だったのだ。
「あー、かわいいなぁ俺の彼女は。
みんなの前で嫉妬してくれても良かったのに」
「そ、それは……橘くんに迷惑が」
「もっと俺を好きになってほしいな。
まだまだ足りないよ俺は」
そう言って、橘くんは私の頬にキスを落とす。
まるで甘い時間が始まる合図のようだ。