その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「なに、その顔は知らなかったの?」
「えっ、あの……橘くんがそんな」
「口を開けばすぐあなたの話ばかり。前までは私たちの話を聞いて、優しく笑顔で返してくれたのに。今の叶人くんはあなたへの想いが強すぎる……」
私への想いが……?
どこか照れくさくて、思わず頬が緩んでしまう。
「わ、別れろとは言わないけど、せめてまともな叶人くんに……ってなにニヤけてんの!」
「……っ、ご、ごめんなさい!」
まるで先輩たちを嘲笑っているように見えてしまったのだろう、慌てて謝ったけれど。
「あー、ダメよ。かわいくて叶人くんにお似合いだから余計に腹立つ……」
「へ……」
「と、とにかく!叶人くんをこれ以上おかしくさせたら許さないんだから!」
そう言って先輩たちはその場を去って行った。
もっとひどいことを言われて、乱暴にされると悪い想像をしていたため、逆に呆然としてしまう。