その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「ほら、かんたんにくっつくこともできる」
「……っ」


橘くんの色っぽい瞳が私を捉え、とっさに俯いてしまう。

手錠というものに繋がれているせいか、 動きたくても変に動けない。


だって無闇に引っ張ってしまえば、橘くんの手首を痛めてしまう恐れもあるのだ。


「どうして、手錠なんて」
「この間は縛っちゃったから、今度は繋がろうと思って」


縛ったから、繋がる……?

その言葉の理解に苦しんでしまう。
さすがの私も、手錠というものを前に戸惑いがあった。


これはいったい……本当に、橘くんって重いの?

確かに恋人同士が手錠で繋がるだなんて話、聞いたことも見たこともない。


「あの、橘くんって……重い、ですか?」

おそるおそる尋ねてみる。
みんなはこのことを言っているのだろうか。

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