その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「あ、あの、そんな無理しないでください」
「無理なんてしてないよ。むしろ俺が姫野さんを守れるんだって思うと幸せだよ。だから俺に任せて。誰にも姫野さんのことは傷つけさせないからね」
ギューッと力強く抱きしめられて、おそれ多いはずなのに、安心感を抱く自分がいた。
私に対してもそんな風に考えてくれる橘くんは、本当に素敵な人だ。
「……ありがとう、橘くん」
「お礼なんていらないよ。俺のほうこそありがとう」
「どうして橘くんがお礼を言うの……?」
感謝するべきなのは私のほうなのに。
「思い切って行動してみるべきだね。
こんなにもかんたんに姫野さんが手に入るなんて」
橘くんは私から少し距離をとり、じっと私を見下ろして。
そんな彼の大きな手が、私の頬にそっと触れられた。