その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



やってしまった……。
サーッと顔の血の気が引いていく。

慌てて周りを見まわしたけれど、幸い同じ学校の人たちは少し離れた場所にいたため救われた。


「ご、ごめんなさい……!」

「謝らないでいいよ。
フリって言わせてしまう俺が悪いから」

「本当に橘くんは悪くなくて……」
「だからさ、今度の休日に俺とデートしよう」

「……へ?」


橘くんの言葉を理解できなくて固まってしまう。

デート……デートって、あの恋人同士が学校の外に出かけるデート……?


「姫野さんと付き合ったら、行きたいところがたくさんあったんだ。なんなら旅行にも行って、姫野さんのお風呂上がりの火照った姿も見たいなっていう願望もあって……」

「りょ、旅行はハードルが高いかと!」
「じゃあデートはいいんだね」

「うっ……」


なんだろう。
なんか、騙された気がする。

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