その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「おーい、叶人!
その子が彼女か!?」
橘くんの顔は広いため、他クラスの男の子や先輩後輩にも声をかけられることが多く、その度に私は心臓を握り潰されそうな感覚に陥った。
ようやく落ち着けたのは、料理の乗ったお盆を持って席についたときで。
私と橘くんはテーブルを挟み、向き合う形で座った。
お昼のときは、いつも目の前に芽衣ちゃんがいるというのに、今日は橘くんだなんて落ち着かない。
それに橘くんの笑顔はまぶしくて直視できない。
まだまだ耐性ができなさそうだ。
「姫野さんはオムライスが好きなの?」
「あっ、うん……ここのオムライスが好きで」
食堂に来たときは、オムライスを頼むことが多い。
それほど食堂のオムライスが好きなのである。
橘くんは丼ものを頼んでおり、そちらもおいしそうだ。