その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「あの、橘くん……食べないの?」
「俺のことは空気だと思ってくれて大丈夫だよ。気にせずに食べ進めてね。あっ、そうだ。これも食べる?」
「だ、大丈夫です……!
それは橘くんが食べないと」
橘くんって少食なのだろうか。
それとも今日は体調が良くなくて、お腹が空いていない……とか?
けれど橘くんはにこにこと満面の笑みを浮かべ、むしろ体調が良さそうに見えるのだから難しい。
気の利いた言葉がかけられず、やっぱり私はダメ人間である。
うーんと悩んでいると……。
「あーあ、やっぱり叶人は姫野さんを困らせてんのか」
「本原くん!」
タイミングよく食堂に来ていた本原くんが、橘くんのとなりに座る。