その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
けれど橘くんは気付いていないのか、一切本原くんのほうを見ようとしない。
「おーい、一輝!
お前ふたりの邪魔しないんじゃなかったのかよ」
今度は少し離れた位置から声が聞こえ、おそるおそるそこに視線を向けると、橘くんや本原くんと仲のいい男の子たちが立っていた。
「悪い、緊急事態だからここいることにするわ」
もしかして私が橘くんにふさわしいかどうか、審査に来ていたんじゃ……!?
ふと不安になったけれど、男の子たちは本原くんの言葉を聞くなり、それ以上口を開くことなく食堂を後にした。
つまり本原くんだけが私を審査しに来た……?
とりあえず認めてもらえるように頑張らないと。
恋人のフリであることをバレてはいけないため、気合を入れる。