その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「ああ、このことか?どうせ叶人は食べねぇだろうし、俺がもらってるだけ」

焦る私に対し、本原くんは冷静で。
どんどん食べ進めている。


「姫野さん」
「は、はい……!」


思わずビクッとしたのは、明らかに橘くんの声のトーンが落ちたからだ。

やっぱり本原くんが勝手にご飯を食べて怒っているのではないかと思ったけれど。


「姫野さんの彼氏は俺だよ?
他の男なんて見ないで俺のことだけ見てほしいな」

「……へ」

スッと伸びてきた手が私の頬に触れる。
そんな橘くんの揺れない瞳は、まっすぐに私を捉えていた。


触れられることに慣れていない私は、すぐに頬が熱を帯びる。

橘くんの触れ方は優しくて、口が裂けても『離してほしい』だなんて言えない。

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