その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
だって私と恋人のフリをすることによって、趣味が悪いと好感度が下がるかもしれない。
それに橘くんは悪者役を自ら受け持ってくれて……。
「こんな変な男に捕まって、姫野さんもかわいそうだな……」
「えっ……」
どうしてか、本原くんにお気の毒そうな目で見つめられる。
先ほどの言葉も意味深で、理解に苦しむ。
「ほら叶人、姫野さんがかわいそうだろ。
ご飯くらいゆっくり食べさせてやれよ」
「一輝が邪魔してくるのが悪いんだよ。
それあげるから早く俺たちから離れてくれないかな」
「なんで姫野さんのことになるとそんな思考力低下するんだよ。今はまだ周りも気づいてねぇからいいけど、そろそろ勘づかれるぞ」
橘くんはニコニコと笑っているけれど、どこか怖いと思ってしまう。
対して本原くんは呆れた表情を崩すことはなかった。