その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜
「そもそもこのかわいさを前に我慢できると思う?できないよね、こんな動作ひとつひとつからかわいいなんて、姫野さんが悪いと思わない?」
「えっ……」
橘くんの言葉に、ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
私が悪いって……何に対してだろうって。
「あー、気にすんなよ。
叶人の話は真面目に聞いてもロクなことねぇから」
すぐに本原くんがフォローの言葉をかけてくれたけれど、心配になってしまう。
やはり橘くんに迷惑をかけているのではないかって。
「逆に姫野さんは悪い言葉ばかり聞き取るんだな」
「私が悪いのは事実で……」
「その“悪い”の意味合いがまず違うから。
それにこうなったのは……」
「ねぇ一輝。姫野さんに気があるなら、なおさら離れてくれないかな」
本原くんの話を遮った橘くんは、先ほどよりも怖いオーラがだだ漏れで。
やっぱりご飯を食べられてしまい、怒っているのかもしれない。