その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



「説教って、誰が誰の?」

「えっと、橘くんが私に……だって、私が待ち合わせ時間を間違えたから……」

「ううん、姫野さんは間違えてないよ。むしろ待ち合わせ時間より30分も早かったんだからね。もう少しギリギリでいいんだよ」

「え……じゃあ待ち合わせ時間は10時、ですか……?」
「もちろん。ふたりで約束したよね」


ニコッと笑う彼に、怒りの感情はない。
その姿を見て全身の力が抜け、ホッと胸を撫で下ろした。


「でも、橘くんはどうしてこんな早くに……?」

「彼女を待たせるわけにはいけないからね。
こんなかわいい格好して、すぐ狙われるよ」

「そ、そんなことは……!」


全力で否定するため、首をぶんぶん横に振る。
私がかわいいだなんてありえない。

優しい橘くんの気遣う言葉だろう、無理矢理過剰評価をさせてしまって申し訳ない。

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