その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



そして駅から歩くこと10分。
映画館が見えてきた。

多くの人で賑わう休日の映画館に、最初は入るのがためらわれた。


「姫野さん?行こう」
「う、うん……!」

けれど橘くんに名前を呼ばれ、覚悟を決めて中に入る。
そこは人で溢れかえっており、すでに圧倒されてしまう。


友達と行くときは気にならない人混みも、となりに自分とは住む世界が違う橘くんがいるだけで、こんなにも周りに意識がいってしまうのだ。


「あっ……チケット売り場も並んでるね」


当日のチケットを買い求めるお客さんたちで、チケット売り場は賑わっていた。

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