その溺愛、重すぎます!〜甘い王子様の底なし愛〜



列ができている中、一緒に並んでくれる橘くんは優しい人である。


「あ、ポップコーン……おいしそう」


ふたりで列に並ぶ中、ふとメニューの看板で大々的に宣伝されていたポップコーンが視界に入る。

ポップコーンの香りも漂っているため、余計に買いたくなってしまう。


「橘くんはポップコーンだと塩かキャラメル、どっち派ですか?」

「……俺はダントツで姫野さん派だよ」
「えっ……私?」

「あ、ポップコーンの話だよね……俺は塩かな」
「一緒だ。私も塩が好きなの」


橘くんと味の好みが一緒だったようで、共通点が見つかった気分だ。

なんだか嬉しくなって、思わず笑みがこぼれてしまう。

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