永遠、というものがあれば

あの夜から１ヶ月ほどたった７月のある日、



私は黒田家に呼ばれた。



カズくんはほとんど会社に行くようになって大学では滅多に会わないせいか、



あれからカズくんとの間は少しぎこちない。



「陽菜ちゃん、お帰りなさい。久しぶりね」


「ただいま！」



優しいおばさまが出迎えてくれる。



中学２年生から高校卒業まで過ごしたこの家はとても懐かしいにおいがする。



「陽菜ちゃん、家になかなか帰って来ないから心配してたのよ。ねぇ、あなた」


おじさまも少し怒ったような顔で



「そうだ。この家にちょくちょく帰ってくるのが一人暮らしを認めた条件なんだからな。もう少しまめに連絡くらいしなさい」



「はい。ごめんなさい」



私のことを心配してこうやってしかってくれる黒田のパパとママ。



本当にありがたい、と思うけど…