永遠、というものがあれば
ご飯を食べ終えてから、キッチンで洗い物をしていた私をじっと見つめて、陽斗が言った。



「今の俺、お前が一番大事だから」



私は手をとめて静かに答えたんだ。



「あのね、陽斗。



アメリカに行って?」



途端、陽斗は驚いた顔をして黙った。



私も何も後に続く言葉はなくて。



「…行かないって言っただろ?」



陽斗のちょっぴり怒ったような声が沈黙を破る。



気持ちが負けそうになるなるのを必死に隠すために私は言葉をつないだ。
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