永遠、というものがあれば
「陽菜」



「ん?」



「俺、アメリカ行くわ。」


「…」



「俺、陽菜と離れたくないのは本当だったんだけど。


もしかしてその気持ちに逃げてたとこもあるのかな、って。



アメリカ行っても成功するかどうかはわからないし、


今の仕事で手一杯なのに。これ以上、って可能なのかな、って…。



でも何事にも始まりがあるわけだし、



可能性に賭けてみることにしたんだ」



そういう陽斗の顔は迷いがなく、晴々としたものだった。



「陽菜、本当にありがとうな」



私は何にもしてないよ、



言葉にならなくて、かぶりをふるだけの私の顔を両手で優しく包んで、



「陽菜、好きだよ」



軽くキスをした。



陽斗の唇も、大きな掌もかすかに震えていて。



「陽斗…?」
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