永遠、というものがあれば
「あっ!」



包丁が指をかすめて、血がにじみだす。



「陽菜!?」



飛んできた陽斗が私の手をとって水道水で洗い、丁寧に絆創膏をはってくれた。


「大丈夫?」



「うん。ごめんね。ボーっとしてた」



「どした?何か変だよ?」


覗き込む陽斗の顔が優しくて、



私の目からぽろぽろと涙がこぼれてしまった。



「陽菜、どうしたんだよ…」



抱きしめてくれる腕も、



受け止めてくれる暖かい胸も、



包んでくれる少し低めの声も、



全部、好き。



だから不安なんだ。



だから寂しいんだよ?
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