永遠、というものがあれば
「ごめん。なんでもない」


体を離して、陽斗に笑ってみせた。



きっと今変な笑顔だろうな…



あんまり顔を見られるのが嫌で思わず俯いてた。



「ごはん、つくるね…」



体の向きを変えかけたその時。



陽斗が後ろから私を抱きすくめた。



息が止まりそうなくらい、心臓が鼓動を早くする。



「俺、ずっとこのままでいたい」



陽斗?



もしかして私の気持ちに気付いてる?



また涙がこぼれるよ…。



「離れたくねぇ…」



…うん。私も。



出かけた言葉は口にすることはできなくて。



ただ涙が止まらなかった。
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