永遠、というものがあれば
自然につながれた手を少し意識しながら、お祭りムードにわいているキャンパスを歩く。



どこに向かってるのかはわからないけど、この手についていけばきっと大丈夫。


黙ったまま歩く陽斗に私も何も言わない。



人混みを少し抜けると、



「きれー…」



そびえるのは大きなツリー。



少し暗くなりかける空にイルミネーションが輝いて、神々しいくらいに綺麗で私はそれ以上言葉を失った。


「お前と見たかったんだ」


光に照らされた陽斗の顔。


「ここさ、毎年この時期に飾り付けされるんだけど、学祭があって、ほとんど知られてないんだ」



陽斗の言葉通り、私達の他には数人の学生しかいなかった。
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