永遠、というものがあれば
「昔、俺の親友もそういうことがあってな。売り出したらヒット間違いなし!そう言って私は奴に世に出すことをすすめたんだ」



おじさまの目が遠くを見つめる。



「だけど。絶対嫌だ、って言ってな、私達は喧嘩になったんだよ。曲が売れてビッグになることが私達の目標だと信じていたから。



だけど、奴は言ったんだ。やっと「伝えたい曲」ができたんだ。って…。



それは愛する人だけの為につくった歌だったんだ…」


おじさまは私をみて、



「愛する人、お前のママのことだよ。柚木はただ売るだけじゃだめだ、ってことを私に教えてくれた親友だ」



パパ…。



ママがいつも口づさんでた曲。もしかしてあれがそうなのかな。



涙が静かに流れる。
< 234 / 381 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop