永遠、というものがあれば
電気も点けずに暗闇のなか、ベッドに寝転んでた私の耳に、



テーブルの上に置いた携帯の着信音が響く。



落ち込んでるはずなのに、体は早く反応して、電話を素早く耳にあてた。



「陽菜?」



聞こえてきたのは愛しい人の声ではなく。



「カズ、くん?」



「泣いてる?もしかして…見た、のか?」



答えのない私に、カズくんは小さくため息をついて、


「ちょっといいか?」



と言って事のあらましを聞かせてくれた。
< 254 / 381 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop