永遠、というものがあれば
「おはよ」



「おはよう、陽斗」



陽斗の吐く息が白く消える。



「初雪、だな」



「うん」



静かに目を閉じると、私の頭の中にぼんやりと一つの影が浮かんだんだ。



「陽斗」



「ん?」



「学校のツリー綺麗だろうね」



「そうだな」



陽斗が教えてくれたあのツリー。



そこに雪がふりかかってる姿が想像できる。



綺麗だろうな…!



「陽菜」



「ん?」



「初雪の記念にあのツリー見に行こうか、今夜」



「え?いいの?仕事は?」


顔を向けた私の頭を優しく撫でて、



「決めたんだ。俺陽菜との時間を守る」







不思議そうに顔をしかめる私にふっと笑って見せるその顔から何かの決意が見えたような気がした。



「陽斗、何考えてるの?」



「夜になったらわかる」



「何〜?」



「いいから今夜待ってて」
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