永遠、というものがあれば
降る雪の量が少し増えたような気がして、



私達はしばらくその景色を眺めていた。



そこに言葉はなくて。



言葉はなくても、背中越しに感じる陽斗の体温が温かくて、私はじんわりとしあわせを感じていたんだ。



その時、ふいにごそごそしたと思ったら、



「陽菜、ちょっと目閉じてて」



急に陽斗が言うから、思わず振り返ろうとした私の目を片手で押さえた陽斗。



「何?(笑)わかったから」



陽斗の手を外して目を閉じる。



何?



キスしてくれるの?



陽斗の手が私の左手に触れて…



何かが当たる感触…!



これって…。



「開けていいよ」



後ろから囁かれて、ゆっくり目を開いてそっと左手をあげる。



薬指にはまるリング。



「…っ!?」



瞬間、後ろからぎゅっと抱きしめられたから陽斗の顔が見えないよ。
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