永遠、というものがあれば
陽斗が私の手の中の指輪を見て、



「ごめん。もしかしてサイズ大きかったね。すぐ直してもらうね」



やだ。



再びぎゅっと握られた私の手元に陽斗も少し困惑気味。



「今、私が持ってたいの」


寂しいよ。陽斗。



今日はいかないで。



「陽菜、どうしたの?」



わかんない。



わかんないけど、離れたくないの。



首をふりながらうつむいて涙を流し続ける私をいつものようにさっきの優しく抱きしめて、



「陽菜、今日が終われば、もう少しゆっくり会えるから」



「…」



そして私の顔を両手で包んで目を合わせてこう言った。



「今夜ツリーを見に行こう。指輪も直してもらいに行こう」



「うん」



「俺、何回でも言うよ。陽菜が好きだ。愛してる」



私を抱きしめてゆっくり伝える言葉は心の奥底まで暖かく伝わるようで。



「俺、会う度に陽菜に惹かれていってる。きっとこの先もそう。わかるから」



「私もそうだよ。何度でも陽斗のこと好きになるから…愛してる」
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