永遠、というものがあれば
誰?



と思うのと同時に、



ヤバイ!



と直感的に私は感じていて。



心臓の鼓動は再び大きくなりはじめる。



「悪いけど、しばらくここにいてくれない?」



少しずつ近寄ってくる男と同じ距離をとるように私も後ずさりを始める。



私はぎゅっと指輪をにぎりしめた。



この声…さっきの電話の声に似てる…



「誰、ですか?」



そんな問いに男は答えず、


「見張ってるだけでいいって言われたんだけど…」



なに?なんなの?



縮まる男との距離に私の思考回路も動きを止めはじめる。



「思った以上に可愛くて、ラッキー、みたいな」



男がニヤッと笑った途端、


私は振り返って走り出した。



逃げなきゃ。



逃げなきゃ!



思ったように足が動かない!



誰か!



誰か助けて!



陽斗、陽斗!
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