永遠、というものがあれば
あれだけの資材が落ちてきて、体の打撲と左手の骨折だけで済んだのは奇跡だといって、



あれからおばさまと舞は何度も泣いていたっけ。



私は何度言われてもはっきりしないことが何箇所かあって。



自分でもどうしていいのかわからない。



そんな時、私は痛みが少し残る左手を見るんだ。



ぎゅっと握った手の平をそっと開くと、



私の大事にしてるものが見える気がして。



…だけど毎回開いた掌の中には何もなくて。



何かはわからないけど、



それがきっと私の大切なものだったということだけはわかるんだ。



私は何か忘れてるの?



私は何かをなくしたの…?


なくしたの?
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