永遠、というものがあれば
振り返ってみるけどどこにもその姿はみえず、



私はにぎりしめた左手をゆっくり開けて見たけど、やっぱりなにもなくて…。



まるで体が勝手に動いてるよう。



頬に流れるこの涙も。



いまだ余韻を残すこの胸の鼓動も。



動けないままどれだけの時間が過ぎただろう…。



鞄の中の携帯の音が私を我にかえす。



着信はカズくんからで…。


私は多少後ろ髪を引かれる思いでツリーを後にしたんだ。
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