永遠、というものがあれば
『もしもし、陽菜?』



「うん…」



『家?…じゃないよな?』


周りの学生の声が聞こえたのだろう。



「うん、ちょっと寄り道!けど、すぐ帰るから」



私は何かを振り切るように、明るい声を出してみせた。



『そこどこ?迎えに行こうか?』



「ううん。すぐタクシー拾うから大丈夫」



まだ心配そうなカズくんの電話を切って、私はタクシーに乗ってやっと今度は本当に部屋に帰ったんだ。
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