永遠、というものがあれば
黒田家についた私をおばさまは笑って迎えてくれた。

二年前から少し元気がなくなったおばさま。


いつも私の心配をしてくれる。



「陽菜ちゃん、やっぱりこの家に帰ってくることは考えられない?」


リビングでコーヒーを飲みながら切り出されたおばさまの言葉に、私が少し返答に困ってると、カズくんが言葉をはさんでくれた。


「母さん、陽菜も自分の考えがあるんだから」



そうだったわね…、とおばさまは小さくため息をついてから、


「そうだ!陽菜ちゃんがカズマのお嫁さんにきてくれればいいのよ!」



はいぃ?



目をキラキラさせながら手を叩いていうおばさまを真ん中に、私もカズくんもしばし言葉はなく。



「ない!ない!ないです!」


数十秒後、思い切り手を振って否定した私の言葉に、

「そう?私は陽菜ちゃんなら安心して任せられるわ、と思ったのに。…そ〜ぉ?」


私がカズくんのお嫁さん?


……


ない!ない!



だけど、顔が赤くなってるのが自分でも十分すぎる位わかって、私はほっぺを両手で覆った。
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