永遠、というものがあれば
「…陽菜!聞いてるか?」

ふいに聞こえるおじさまの声に我にかえる。


「来週のパーティーの話。お前も来るように、って」

耳元で囁き、指差したカズくんの指先にあるテーブル上の封筒。



「でも…」


この一年ほどは、会社でオフィス黒田との関係を伏せている関係上、パーティーには出席していない。


パーティー自体なんとなく苦手だし…。



「このパーティーはカズマの副社長就任のものだ。だから、陽菜、お前も来なさい」



カズくんが副社長?



ぱっと横を見ると、カズくんが少し照れ臭そうに笑ってた。



「おめでとう…カズくん」


それしか言えないよね。特に院をやめてからのこの二年、お仕事頑張ってたもんね。


まるで何かに没頭せずにはいられないように。


何か変わったね、って舞と心配してたこともあったっけ。
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