永遠、というものがあれば
この喪失感はなんだろう…。


あぁ、あの夢の中と同じだ。


結局、夢は夢だったんだろうか…。


カズくんの突然のプロポーズや、あのチャペルでの出来事。


目まぐるしすぎる展開の多さに心も体もついてけないよ。


今更またあのパーティー会場に戻る気も今はなくて、私はふらふらとロビーのソファに腰掛けた。


その時、一人のボーイさんがたくさんの荷物をカートに載せて運んでる側に、小さい男の子が走ってきた。


あっ!



危ない!ぶつかるっ!



ゴトゴトゴトゴトッ!



すんでのところで男の子は大丈夫だったけど、積み上げた荷物が散乱してしまっていた。



すみませんでした、とボーイさんが荷物を積み直している。




周りの空気が普段へと戻る中、私は上げかけた腰を元に戻すことができなかった。



荷物の落ちる音。



危ないっ!



…倉庫



……留学のパンフレット



そして…



星の中のプロポーズ…




私の頭の中に流れ込むように蘇る記憶たち…。



haru…


ううん…ハルト…



私は鈍い痛みを感じる頭を抱えて、いつしか気を失っていった。
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