永遠、というものがあれば

光と雪

カズくんは運転手さんに空港の名前を告げ、すぐに携帯でどこかに連絡を取りはじめた。


つながれたままの手から暖かい体温が流れてくる。


電話が終わると、彼は私を見て、口を開いた。


「マネージャーが言うには…haru、アメリカに向かったらしいんだ」


「ア、メリカ？」


「陽菜、どうする？空港行ってみるか？」


アメリカ…。


窓の外を見ると、年末の街の渋滞に車はほとんど動かない状態だ。



「もう…いいよ…」


「え？」


「時間過ぎてるでしょ？もういいよ…カズくんありがとう」


タクシーの中の時刻はもうとっくに飛行機の飛んでる時間を過ぎていることを私に告げている。