永遠、というものがあれば
「すみません。行き先変えてもらえます?」



渋滞の列を眺めてた運転手さんにそう告げると、車は横道にそれ、軽快に走り出した。


陽斗とは逆向きになってゆく。


所詮、この恋から離れるスピードは早く、それだけたやすいものなんだと、暗示されてるようで、私は目をぎゅっと閉じた。


カズくんも今は何も言わずに、だけど私の手をしっかりにぎりしめていてくれるのが今は心強い。


閉じた目から涙が一筋こぼれ落ちたその時。


「雪ですね。」



運転手さんの言葉に目を開け窓を見ると、確かに粉雪が車の外を流れて行くのがわかった。



雪…。



「運転手さん、これってこの冬、初ですよね?」


ふいにかけられた質問に運転手さんはバックミラーをちらちら見ながら答えた。

「そうですね。今日は夕方からちらちらと降り始めましたから」


そのせいでこの時間まで渋滞が続いちゃって…、と運転手さんの話は続いてたけど、私は窓にながれていく雪を見ながら…、
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