永遠、というものがあれば
タクシーを見送った後、私はある場所に向かって歩きだした。


足元にはうっすらと雪が積もりかけている。


一旦やみかけていた雪がまたはらはらと舞いはじめた。


ひとひらの雪がぽつんと頬に当たって、すぐに水へと変わった。


陽斗…。


あの日の約束。


初雪が降ったらあの場所へ行こう、って。


隣にあなたはいないけど、

少し遅くなっちゃったけど、


あの日の約束も、


陽斗…、


あなたへの想いも、


やっとこの胸に帰ってきたんだよ。
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