永遠、というものがあれば
「陽菜…」


「陽斗…陽斗!」



お互いの名前を何度も何度も呼び合った。



「陽斗…ごめんね…ごめん」


陽斗の腕の中はとても温かかった。



「俺は…お前を守ってやれなかったから…」


胸に顔を埋めながら、陽斗の声を感じていた。


「俺がいることでお前の体の負担になりかねないのなら…それでアメリカに行ったんだ」




陽斗?


泣いてるの?



「でも…すげぇ後悔した。特に…こっち帰ってきてから…」


「陽斗…」


「俺、今のお前にどんどん惹かれてる…」



胸の高なり。これも陽斗だけのものだよ。



「でも…この二年間お前のそばにいて支えてたのは、カズマだ。あいつの気持ちはずっと知ってたから…陽菜が幸せになるなら…って」


「だから、どこかに行こうとしてたの?」




陽斗は私の左手を掴んで、握られている指輪をつまんだ。
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