永遠、というものがあれば
そのままソフアに座り込んだまま動けなかった。



カズくん、早く来て!



そこに、背が高くてモデルさんのような綺麗な女の人が近づいてきた。



あ、この人。



さっき会場で睨んできてた人だ…。



「こんばんは」



「あ、こんばんは」



「もしかしてあなたが陽菜ちゃん?」



「?」



「私、カズマと同じ会社で働いてるの。あなたのことはよく聞いてるわ」



「あ、はい」



間抜けな答えしか言えない私。



「あなたのこと、かわいい妹だって」



妹を強調して言う。



こんなことは言われ慣れてる。



「そうですか」



私の冷静な態度に柔らかな口調からとげとげしく変化させて、



「あのさ、はっきり言うけど、陽菜ちゃん、カズマを解放してあげてくれない?」
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