永遠、というものがあれば
その時、彼女の腕をつかんだのはカズくん。



「何言ってんだよ」



カズくんのこんな怖い顔初めて見た…。



「陽菜、今の嘘だから。お前には関係ないからな」



泣きながら彼女が付け足す。



「カズマ、お父さんともケンカしながら学校行ってるんでしょ?」



「カ…ズ、くん?本当?」


私の頭の中に仲の良いカズくんの家族が浮かんだ。



「陽菜には関係ないことだから。お前も勝手にいろいろ言うな」



泣いてる彼女はきっとすごくカズくんが好きなんだろう。



でも私は、



今なにも考えたくない。



なにも見たくない。



カズくんの呼ぶ声を無視してタクシーに飛び乗った。
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